ちょっと紹介

『改訂新版高校中国語』

改訂新版高校中国語
『改訂新版 高校中国語CD付』白帝社

高等学校中国語教育研究会 編著 ロングセラーの『改訂版 高校中国語』が、『CD付 改定新版 高校中国語』としてリニューアルされました。

音声教材はテープからCDに、単語も今はあまり使われなくなったものを一新し、イラストもよりわかりやすくなりました。初めて中国語を学ぶ方が楽しくしっかり学習できるよう、基本的な会話文の中に各学習項目を盛り込んでいます。また、練習問題も臨機応変にお使いいただけるよう工夫してあります。

 『CD付 高校中国語2』

改訂新版高校中国語
 『CD付 高校中国語2』白帝社

高等学校中国語教育研究会 編著『高校中国語2』(高等学校中国語教育研究会編)が2010年3月に出版されました。

『改訂新版 高校中国語』に続いて、発展した内容が学習できる中級テキストです。また、他の入門テキストで学んだ学習者にも対応できるよう、巻末に『改訂新版高校中国語』の語い索引を載せました。

「学校生活」、「校外活動」、「プライベート」の各カテゴリーに5つの場面を設け、重点、練習問題付きの全15課で構成されています。学習する順番はつけておらず、どの部分からでも学習可能で、学校の状況や興味・関心などに合わせて自由にお使いいただけます。また、CDでは場面に合わせた効果音が流れ、何度聴いても楽しい音声教材になっています。

『高校中国語2』が出版されるまで

 2010年3月に、白帝社から『高校中国語2』が出版されました。『改訂新版 高校中国語』に続く教科書で、表紙を飾るパンダの愛らしさはそのままに、B5版の爽やかなグリーンで登場しました。

『高校中国語2』執筆の始まりは、2007年にさかのぼります。ある日の月例会で、『改訂版 高校中国語』に続く教科書を作ろうという声があがり、さっそく文法の整理に取りかかりました。まず『高校中国語教育のめやす(平成11年版 全国高等学校中国語教育研究会編)』の「言語材料 文法編」を確認し、『改訂版 高校中国語』で扱っていないものをピックアップしました。その上で、各自の担当項目を決め、比較的手の空く12月から5月に研究発表を行いました。こうして、『高校中国語2』出版計画が始まったのです。扱う文法は準備万端。あとは単語と本文です。そこで、『高校中国語教育のめやす』と『改訂版 高校中国語』の語い索引とを突き合わせて未習単語を抽出し、カテゴリーごとに並べ替えました。「この単語なら、学校が舞台やね」、「動物ばかり出てくるのは、大自然がテーマ?」と単語と睨めっこしながら、それぞれが頭をひねって本文を作りました。しかも、各自の調べた文法項目を織り交ぜるので、なかなかに難しいものでした。

この間、別の嬉しい仕事も加わりました。白帝社の伊佐さんから、「『改訂版 高校中国語』CD化」のお話をいただいたのです。これまでの作業は一時中断!『改訂版 高校中国語』の見直しとCD化の準備に専念し、2007年3月、『CD付 改訂新版 高校中国語』が無事に出版されました。表紙も鮮やかなオレンジをバックにした可愛いパンダにリニューアルです。

ほっとしたのも束の間、『高校中国語2』計画の再始動です。ネイティブチェックは、彭瓊林先生、江島英那先生、豊旭先生にお願いしました。重点や練習問題も加わって相当な頁数でしたが、3人の先生方は隅々まで確認してくださいました。CDの録音は、2010年2月23日に東京のスタジオで行いました。3年前と同様、中国語部分は陳浩先生と王京蒂先生にお願いしました。『改訂新版 高校中国語』に比べて盛り沢山でしたが、約3時間の収録で終えることができました。その後、挿絵が入り、表紙の色とデザインが決まり、ついに出版の日を迎えることとなりました。

こうして完成した『高校中国語2』には、意見を出し合った皆のアイディア生かされています。例えば、「第~課」という学習する順番がありません。自分の学びたい内容を、レベルや状況に合わせて自由に選べるようになっています。また、『改訂新版 高校中国語』はもちろん、他の入門テキストで学んだ学習者でも使用できるよう、巻末に『改訂新版 高校中国語』の語い索引を載せました。さらに付属のCDでは本文や会話文に合わせた効果音が流れ、臨場感たっぷりです。 使いやすさにこだわった『改訂新版 高校中国語』と、サイズもレベルもバージョンアップした『高校中国語2』を、ぜひ合わせてお使いください。

テキスト完成の舞台裏

表紙

 明るい薄緑の表紙。『改訂新版 高校中国語』のエネルギッシュなオレンジから少し落ち着いた感じになりました。この色から何を連想されますか?実は、この色は大の蛙好き、関西支部の○○先生のモリアオガエルからの発想でした。デザインは、人気のパンダと共にウサギ、サルを裏表紙にという案もあったのですが、最終的には改訂新版と同じデザインになりました。でも、同じように見えて1ヶ所、違いがあります。比べてみてください。パンダの持っているササが……

テキスト/教授資料作成

 『高校中国語2』で初めて執筆活動に参加しました。作成依頼を快く受けたまでは良かったのですが、当初は全く要領を得ず、周りの先生に支えられて担当部分を仕上げました。一番苦心したのは、“地”などの助詞のニュアンスと使い方についての説明です。使用者にわかりやすく伝わるよう骨折りました。度重なる確認と訂正を経てできたテキストは、執筆者と協力者の先生方の汗と涙と笑いの結晶です!一人でも多くの方に使って頂けたら嬉しいです。

B-mapに決まるまで

 巻末に載せる「北京市内地図の作成」を小林和代先生と担当させていただきました。

本文に出てくる地下鉄の駅名と観光地名を載せた、極めてシンプルな地図では「北京市内地図」「北京観光地図」等と名乗れません…。横にいた甥に相談してみたところ、「“map”でええやん。『北京』ってBeijingか…。なら“B-map”でええやん!」という答えが。現役高校生の感性を即、採用…。こうして「“Běijīng-map”北京・游览地图」という名で、お目見えすることとなりました。

CD効果音

 高校生はなぜ、CDの封を切らないのか…。それはきっと、「聴いても楽しくない」から。ならば、何度でも聴いてみたくなるようなCDにしよう! ということで、場面をイメージしながら、録音原稿にト書きを入れました。どうぞ耳をすませて聴いてみてください。雨の音、教室のざわめき、ジングルベル。聞けばお腹が鳴りそうな、美味しそうな音もあります。ミキサー担当の染谷さん、本当にお世話になりました!

CD収録

 CDの日本語部分を担当させていただきました。緊張の当日、「1(いち\)」、「2(に\)」、「3(さん ̄ )」と読んだ途端に録音ストップ!「いち(/)」、「に(・)」、「さん(・)」と直され、その後も発音矯正の連続でした。全国の生徒さんや先生方が聴くCDが、関西バージョンとなってはいけませんよね。標準語をご指導くださった染谷さん、陳浩先生と王京蒂先生、白帝社の伊佐さん、その他多くの方々に助けていただき、大変貴重な経験となりました。