たこぱんだより | 高等学校中国語教育研究会関西支部

「たこぱんだより」について

 「たこぱんだより」では、会員の皆さんから寄せられた、中国に関するさまざまな情報をご紹介します。
もしも、このコンテンツを読んで「ほんまかいな!?」と感じたら、是非、現地を訪れてご自身の目で確かめてみてください。きっと大きな発見があるはずですよ!
 それでは、ご一緒に、ちょっとお隣さんの様子を覗いてみましょう…

たこぱんだより

たこぱんだより vol.9

北京雑感2014夏

自転車シェアリング 
 世界各地でみられる自転車シェアリングがここ北京でも導入されている。ボディーは紅白の慶弔ツートンカラー。かなり目立つ。レンタル料は1時間1元。待機自転車が少ないところをみると、利用者はそれなりにいるということか…盗難か…と思っていたら、天橋
南大街でこの自転車に乗っている人を見かけた。見かけたのはこの一度きりだったが。
 かつて中国はどこへいっても自転車で溢れていたが、今は自動車が溢れ、駐車スペースが追いつかないため歩道や側道に車を停めている。シートまでかけている。もはや駐車場と化している。そんな北京市では2015年までにこの自転車を50,000台導入する計画らし
い。都市中心部の「完全渋滞」を避けて利用する人たちもいるのだろうと思われる。

takopan09_01
takopan09_02

渋滞
 高速道路が出来て万里の長城へ行くにも便利になったものだと思っていたが、渋滞のため、一番近い居庸関へ行くにも、3時間はかかる。渋滞さえなければ30分で行けるというのに。情報通に言わせれば、朝日が昇る前に出発しないと渋滞に巻き込まれるのだとか。
夜明け前から支度するのかと思うだけで疲れる。そういえば、観光地でガッツリ寝ている観光客をよく見かける。“游玩儿”には昼寝も必要なのかも。

“南锣鼓巷”
 昔ながらの胡同の風情の中に現代的でおしゃれなショップがひしめき、中国全土から観光客が押し寄せ大変な賑わいを見せている。さすがは北京でも評判の“南锣鼓巷”。お土産ものもそれなりのお値段になる。“批发店”なら1斤150元の“铁观音”が、ここなら1克50元!観光地ですから。

 於鼓楼東大街70号café alba

これは美味しい!とろっふわっの杏仁豆腐

これは美味しい!とろっふわっの杏仁豆腐

スターバックスもこんな感じ。

スターバックスもこんな感じ。

今も昔も ヨーグルトはやっぱり瓶詰でしょ。

今も昔も
ヨーグルトはやっぱり瓶詰でしょ。

どんどん便利に
“学生一卡”
 学生は大学内では“学生一卡”を利用すれば学内のあらゆる用事をすませることができる。図書館入館、貸出、PCのレンタル等の他、クレジットカード機能もあるので、買い物もできる。失くすとコワイ。学生寮のエレベーターも“刷卡”しないと動かない。

“地铁”
 ガイドブックや地図の記載が追い付かない程のスピードで、地下鉄の路線は増え、延長されている。日本ではまだ限られた路線でしかみられない車窓広告(トンネル広告)も北京の地下鉄では頻繁にみられる。電子公告も結構面白い。インターネットの動画投稿サイ
トのように面白いので、ついつい見入ってしまい、乗り過ごしそうになる。
 不法コピーの遊園地にも北京動物園にも、頤和園、円明園、天壇公園などの世界遺産各所へも地下鉄で行ける。かつて、北京大学は街から離れたところにあると思っていたが、今や西単まで地下鉄1本でピュっと行ける。便利になったものだ。

“一卡通”
 バスと地下鉄共通のICカードを利用すれば、いちいち切符を買う必要はなく、小銭を準備する必要もない。センサーにかざすだけでOK。デポジット20元+必要な金額をチャージすればOK。昔バスの車掌さんは“没有票的,请买票!”と高速連呼していたが、今は“刷卡!刷卡!!”と連呼している。

このカードは公衆電話でも使える

このカードは公衆電話でも使える。

やっぱり安い~!
1元 肉まん1個。 種類はすこぶる豊富。そして美味しい。
2元 地下鉄全区間。
7元 スイカスムージー、マンゴースムージー。  
13元 タクシー初乗り。
126元 北京ダックセット(4人前)
takopan09_07
(小西天今典花園北門 玉林烤鴨店)

安全検査
 テロ対策ということで、北京ではあちこちで公安が目を光らせている。地下鉄に乗るにはX線手荷物検査を通過せねばならない。ボディーチェックがある場合も。天安門東駅で降りて天安門広場へ行くまでに更なる安全検査があり、ここでは30分以上並ばなければ通過できなかった。さらに天安門に登るためには、手荷物を預ける列に並び、また安全検査の列に並ばなければならならい。ここまでで3回。くじけそうになる。

これにはちょっと驚いたっ
takopan09_08

  • ドアを開けた時、後ろに来る人を気遣い、ドアを開けたまま待つ。
  • 急にドアを開けたせいで誰かがドアにぶつかりそうになった時“对不起”と言う。
  • 混み合った車内で人とぶつかった時“不好意思”と言う。
  • 利己的自己主張できる人たちがさらりと“excuse me”を言うようになってきた。

でも、やっぱり
 道を尋ねて、自分が知らない時は「わからない」と言ってくれたらいいのに。教えられた場所へ行ってみると…。
 ネイルのデザインが写真と全然違う出来上がりになった時、“差不多”と言われた。哈哈哈……(Xiao)

たこぱんだより vol.8

【今回は、教育ボランティア活動に参加された中野先生から、活動報告書の投稿をいただきました。】

中国東北(旧満州) 教育交流の1週間
2013年 糖葫芦の会 第7次キャラバン隊に参加して
中野貞弘(兵庫県立尼崎小田高等学校)

 昨年に続き、中国吉林省の農村の2つの小学校を訪れ、英語の授業やカレーライス給食などで交流した。学校規模は50名:学年10名程の大きさである。
 1校で40分授業を2時間連続で、計6時間、音楽と図工の授業通訳で4時間、カレーライス作りで2時間、放課後に5・6年生とスポーツ(ドッチボール)やゲーム(ナンバーコール、フルーツバスケット)。
今年は5日間で合計24コマの多忙な日程だった。
 子どもたちと生き生きと学び、楽しんだ。休憩時間にはプレゼントした長縄跳び、バレーボール、サッカーボールで遊んだ。昨年の学校には全くなかったバスケットのリングが校庭に(牛心小)、昨年新築された長嶺小学には卓球台、理科実験室、コンピュータールームもあった。「農村部や僻地への教育支援が国の予算からも徐々に行われている」との副校長の発言もあった。

【キャラバン隊の活動場所・期間と日程】     
8月25日(日) 関西空港⇒(北京)⇒長春へ
8月26日(月) 長春⇒(天北鎮の中心学校)⇒牛心小学28日午後⇒長嶺小学30日まで
吉林省 蛟河市 天北鎮 牛心村 牛心小学 8月26日~28日
 吉林省 蛟河市 天北鎮 長嶺村 長嶺小学 8月28日~30日

時限

8/25(日)

26(月)

27(火)

28(水)

29(木)

30(金)

31(土)

1・2

CA162 
関空9:30⇒
北京11:50

牛心小へ

3/4年:カルタ作
5年:図工
6年:英語

3/4年:体育
5年:音楽
6年:カルタ作

3/4年:カルタ作
5年:図工
6年:英語

3/4年:体育
5年:音楽
6年:カルタ作

長春発 

3・4

CA1629
北京15:25
長春17:20

 

全員:
カレーライス作り

3/4年:図工
5年:カルタ作
6年:体育

全員:
カレーライス作り

3/4年:図工
5年:カルタ作
6年:体育

CA1656
長春11:40
北京13:30

 

 

 

カレー給食

長嶺小へ

カレー給食

 

 

5・6

龍嘉空港着
飛行機延着

3/4年:音楽
5年:英語
6年:図工

3/4年:英語
5年:体育
6年:音楽

3/4年:音楽
5年:英語
6年:図工

3/4年:英語
5年:体育
6年:音楽

長春へ

CA161
北京16:25
関空20:30

【英語の授業】
 昨年、小学生への生涯初めての授業を中国の小学校で行った。3年から週2時間、5年からは週3時間実施と聞き、立派な国定教科書を目にしたので随分欲張り、盛り沢山で消化しきれない授業をした反省から、簡単な自己紹介を、原稿を見ずに発表できることを最終目標に実施した。
(a)数詞と序数詞の区別、(b)12ケ月の言い方を学び(復習し)、下記①~⑤を英語と中国語でまとめた書き込み式カードを配布し授業を進めた。
① Hello, my name is ~ ~. ② I’m ~ years old. ③ I’m in the ~th grade. ④ My birthday is ~ ~. ⑤ I like to ~.文型
 3,4年合同クラスは、(a)ひと月の日にちを言えること、(b)は用意したフラッシュカードを使い、ゲーム形式で覚えることだけでも60分以上要した。①~⑤の文型中の単語もほとんどが新出語であるのでなかなかハードな授業になってしまった。楽しく達成感のある授業には出来なかった。来年への課題である。
 5年生は、④までをカードを見て言えるまで進めた。当然、級友の発表を聞いて誕生日を聞き分けることもできた時は拍手が起きた。6年生は、⑤までを原稿を見ずに完璧に言えることを期待したが、1、2回助け船を出せば、きれいな発音で出来る子は複数名いたので、正規の授業へつながる内容になったかと思う。ちなみに(b)12ケ月の言い方は5年生の前期にある新出語である。中心小学校の英語主任の先生から、今年から改訂された新しい教科書をいただいた。都会の重点校では、しっかりと教え込まれていくのだろう。

【今年、気づいたこと】
 授業の最初に中国語で尋ねたら誕生日を農暦(旧暦)、年齢は数え年で答える子どもが何人もいたこと。しかし、子どものころ祖父母や大人たちが数え年で言うのは当たり前で、戦前の農村なら日本でも旧暦中心の生活だったこと、そして現代中国の休日が春節をはじめほとんど農暦によることを思えばそれほど不思議でもないかと思い直した。都市部ではどうだろう。
 どのクラスでも英語力の差がかなりあり、最終的には自分の誕生日だけを言えればよいことにしたが、驚いたことに、自分の誕生日を知らない子どもがいたことだ。そんな子には好きな日を誕生日にして答えさせた。また発音上で面白い発見をした。日本の多くの生徒と同様、語尾の子音にはっきりとした母音がくっつくことだ。中国語(普通話)が開音節語と関係があるのだろうか。

【英語の歌】
 今年は「Happy birthday to you」「幸せなら手をたたこう」「旅愁」の3曲。いずれもよく知られているメロディーである。「旅愁」は日本に留学した李叔同が、日本語の歌詞をもとに中国語に訳詩し、内容が中国人にぴったり合うのか誰もが中国の歌:《送别》だと信じている曲である。アメリカ人オードウェイの曲であることを知らせることも昨年からの些細な楽しみである。

【その他】
 先生方との交流や地元の人々の夕べの楽しみ:“扭秧歌儿”(盆踊り)、“健美操”(エアロビクス)へも参加し、“旅店”(簡易ホテル)での寝 泊まりも新鮮だった。また長春市内では長春工業大学を訪ねたり、日本語学科の学生とも交流する機会も得られた。

「人間生きていくときにね、俺の政府と、お前の政府との仲が冷え込んでいるからって俺には何の関係もないよ。不便になるかもしれないけど、全然関係ない」
「僕はまったく心配していない。中国にいる僕の仲間だって心配していないと思う。どこに行ったって関係ないよ、それは」。 (小澤征爾 朝日新聞2013.9.19朝刊より)
中国瀋陽生まれの世界的指揮者から、日中で草の根交流を続ける人々への心強いメッセージである。

糖葫芦(タンフールー)の会:教育ボランティア団体。施設・設備が不十分な中国の小学校を訪問し、①参加隊員の授業実施(通訳付き)、カレーライス給食*、②子どもへ書籍・学用品プレゼント、③1校に5千元相当の援助等を通じ日中教育交流を実施している。会員の会費・寄付により運営され、現地で中国人の協力も得ている。2007年から主に長春郊外の農村を訪問し、今年で7年目を迎えた。1989年に始まった《希望工程》と直接的な関わりはないが、不十分な教育環境で学ぶ子どもたちを支援しようとの趣旨は同じである。(*ハウス食品㈱の協賛)

たこぱんだより vol.7

【「教えて老師!」中国の学校生活について ―公立学校の場合―】
こんにちは!Gaoです。今回は前回と同じ質問項目を上海市閘北区にある公立重点中学校の先生にインタビューしました。私立と公立など各学校制度はどのように違うのか、比較してみても、面白いですね!

Q1:あなたの学校のあるクラスの一学期の時間割表をみせてください。
A1:以下は私たちの学校の高校1年生の時間割表です。

高一  

星期一

星期二

星期三

星期四

星期五

上午  

升旗仪式

语文早读

心理晨会

外语早读

健康教育

第1节课

外语

数学

语文

化学

语文

第2节课

物理

物理

外语拓展

外语

语文

第3节课

语文拓展

化学拓展

数学

地理

数学

第4节课

体育

外语

劳物

数学拓展

外语拓展

  劳动
下午

第5节课

校班

思想品德

语文拓展

心理

化学

第6节课

数学拓展

历史

信息

体育

思品

第7节课

地理

语文

体育

信息

四个一社会实践活动

第8节课

劳化

研究

艺术

历史

第9节课

 

 

 

物理拓展

心理晨会:日本の学校で言うHRに近い、テーマについて意見や話合いをする時間。
健康教育:健康管理についての授業。
○○拓展:基礎科目に対しての発展学習、応用問題を学習する。
劳动:そうじ、草ひきなど
校班:学校総会またはHR
劳化:[劳技或化学];手芸か化学

Q2:一学年クラスは大体どのくらいありますか?ひとクラス約何人ですか?文系理系に分かれていますか?
A2:各学年約120名で、4クラスに編成しています。1クラスは30名前後です。高校2年生の2学期で文理の選択をします。理系3クラスがあり、物理選択クラスは2クラスで計50名、化学選択クラスは1クラス35名、文系1クラスです。文系では歴史・政治・地理の選択科目があり、そのうち歴史を選択する学生がほとんどで、政治、地理を選択する学生は10名もいません。

Q3:こちらの学校にもクラス会があるそうですが、大体の内容とどのように進行するのか、
教えてください。
A3:毎週月曜日5時間目に班会(クラス会)または学校総会があり、班会と学校総会を隔週で行っています。内容は毎回違い、「国家の重大イベントについて」「防災訓練」「道徳教育」などです。(例)「EXPO開催に向けて」「清明節について[故人を偲ぶ日:日本で言う“お盆”に近い祝日]」、「責任感について」など。

Q4: 体育鍛錬運動活動の内容について教えてください。
A4:わたしたちの学校では毎日早朝全校生徒で音楽をかけて体操をします。科目としての体育は毎週3時間あり、整列、ラジオ体操、球技などをします。またそれとは別に活動課というのがあって学生は体育館で球技をしたり、ときにはクラス対抗で試合をしたりします。(Gao)

写真① 生徒が整列しているところ

写真① 生徒が整列しているところ

たこぱんだより vol.6

【「教えて老師!」中国の学校生活について ―私立学校の場合―】
 こんにちは!Gaoです。皆さんは普段どのような学校生活を送っていますか?先日、中国の学校生活について上海の先生にインタビューを行い、いろいろと教えてもらいました。その内容を少しずつみなさんに報告していきます!さて、中国の学生は毎日どのような学校生活を送っているのでしょうか?
 今回は上海にある私立外国語中学・高等学校の先生にお話を伺いました。

Q1: 中国の学校の時間割表を見せてください。
A1:科目表は手元にないので、かわりに生徒および職員の時間表を見てください。この表は一日のスケジュールを表しています。
学校生活時間一覧表(作息时间表より
午前:
6:30-6:55 寮生起床
7:00-7:30 朝食
[通いの学生および寮生登校] ※中国では保護者が送り迎えをする
7:20-7:45 朝の読書
7:50-8:10 朝の体操
8:15-8:55 一時間目
9:05-9:45 二時間目
9:55-10:00 目の保養体操[眼保操]
10:50-11:30 四時間目
11:30-12:00 昼食
12:30-12:50 ミーティング(職員)

午後:
13:00-13:40 五時間目
13:50-14:30 六時間目
14:40-14:45 目の保養体操[眼保操]
14:45-15:25 七時間目
15:35-16:15 八時間目
[通いの学生は帰宅、寮生は寮へ戻る]

夜(寮生):
17:00-17:50 夕食
18:00-20:30 夜の学習
22:00 消灯

その他:
毎週月曜日7:45より国旗掲揚[升旗仪式]、全職員参加すること
職員の出勤時間は7:30、退勤時間は16:30を原則とする。

Q2:毎限何分ですか?一学年クラスは大体どのくらいありますか?ひとクラス約何人ですか?文系理系に分かれていますか?
A2:毎限40分間です。私たちの学校は毎年各学年4クラス編成で、1クラスは40人前後です。高校2年生で文理のコースを選択します。文系は「歴史」「政治」「地理」、理系は「物理」「化学」「生物」などの選択科目があります。

Q3:毎週金曜日にクラス会があるそうですが、大体の内容について教えてください。
A3:私たちの学校では毎週金曜日の6時間目がクラス会(班会)になっています。主な内容は1週間の学習、品行、活動、労働状況などを振り返り、担任や学級委員が司会をし、各自発表していきます。ときには「我が祖国」「一人でも何かできること」「誠意とは何か」などテーマを決めてみんなで話し合うこともあります。

Q4: 体育鍛錬運動活動の内容について、教えてください。
A4:この活動は体育とは別の科目です。体育鍛錬運動は主に体を動かすことを目的として毎週2時間あります。球技などその時々によって活動内容が違います。毎日7:50より朝の体操があり、音楽をかけてラジオ体操をします。・・・次回へ続く(Gao)

写真1 インタビューをした上海市内にある私立中・高等学校の本校舎。右手には国旗が挙げられています

写真1 インタビューをした上海市内にある私立中・高等学校の本校舎。右手には国旗が挙げられています

写真2 学校の学生寮。私が想像していたよりとてもきれいな建物です。

写真2 学校の学生寮。私が想像していたよりとてもきれいな建物です。

たこぱんだより vol.5

【水を食べる……?】
 上海に来たばかりことです。春節のある日、浦東に住む叔母さんの家へ遊びに行きました。生粋の老上海で気のいい叔母さんは、“好久不见了!来,请进,请进!吃水吧!”と出迎えてくれました。
水を食べなさいってどういうこと!?まさか中国人が外国人のように言い間違えることはないし、私が聞き間違えたのよと一度は流しました。しかし、息子のテンテンが食事の時にも“给你吃水吧!”、私にも再度“要不要吃水?”と聞いてくる叔母さん。水や飲み物は“喝水”でしょう!とツッコミを入れたくなるくらいの連発ぶりですが、まわりの親戚は誰も指摘しません。そこで、思い切って叔母さんに質問してみました。「叔母さん、水は“喝”じゃないの?叔母さんはいつも“吃”って言ってるけど。」そうすると叔母さんは、大声で笑いながらこう答えました。「あらあら、ごめんなさい。私はいつも上海語でしゃべっているから、久しぶりに普通話を話すとつい上海語の表現のまま普通話をしゃべっちゃうのよ!」
……ようやく謎が解けました。

【今日の上海語事情】
 私の義母はため息まじりにこう言います。「今の上海と違い、昔の上海は、人ものんびりしていて水も空気もきれいだったのよ。それに上海人であればみな上海語をうまくしゃべっていたわ。上海は本当に変わってしまったわね。」
現在の上海市の流動人口は約2000万人。90年代の改革開放以降、他地域からの大量の人口流入という背景は上海という都市を大きく変化させてしまったようです。言葉の面でも、普通話の浸透が一層加速し、今日では学校でも家庭でも普通話(但し各家庭の言語環境によります)が使われ、上海語離れの傾向があります。現に私の主人は、上海語が聞き取れても、うまくしゃべることができません。
そして私はというと、現在上海語の勉強中!生粋の上海人の義母について学んでいますが、すでに普通話の発音に慣れてしまっている私には、中国語の方言というよりも別の外国語を習っているような気がします。上海語の発音は普通話とはまるで違い、中国でもよその人にはちんぷんかんぷんの言葉なのです。
上海語は上海人のアイデンティティー。もし上海を訪れる機会があれば、たとえ一言でも上海語にチャレンジしてみてください!(Gao)

たこぱんだより vol.4

【中国のテレビ局】
 みなさんは中国本土のテレビ番組を見たことがありますか?中国では各都市や省にテレビ局があって、色々な番組を放映しています。省によってチャンネル数は異なり、上海で観られるのは、経済、軍事、教育、科学、旅行に関する情報番組のほか、ニュース、映画、アニメなど約70チャンネルぐらいでしょうか。また、外国人向けのチャンネルもあり、報道、料理、映画など、欧米を中心とした海外の番組を英語(中国語字幕つき)で放送しています。また週に1時間、日本の時事や文化を伝える番組があります。司会者はみな中国人で、日本語で進行しています。

【中国のバラエティ番組っておもしろい?】
 中国にも、面白いバラエティ番組がたくさんあるんですよ!よく見ている番組をいくつか紹介します。
≪天天向上≫(毎週金曜日夜8時10分~10時10分放送)と≪快乐大本营≫(毎週土曜日夜8時10分~10時10分放送)という湖南衛視(湖南衛星テレビ)が放送する番組です。これらの番組では、会話の中にネット上や日常での流行語も飛び出すので、新しい中国語を勉強するのにとても役立ちます。

【ユーモアいっぱいの天天向上】
 ≪天天向上≫の司会者たちは“天天兄弟”といって、メイン司会が1人、レギュラー5人の男性6人で番組を進行しています。その中には、韓国人や中国で活躍している日本人タレントも出演しています。もちろん皆さん中国語で話していますよ!毎回芸能界や産業界などのゲストを招き、仕事やプライベートについてインタビューします。メインの司会者は話し上手で知識が豊富、レギュラーたちがツッコんだり、ボケたりする場面もユーモアいっぱいで、笑いにうるさい関西人の私も思わず吹き出します。中国語のボケ・ツッコミに興味のある方にはぜひ見ていただきたい番組です。

【ワイワイと楽しいムードの≪快乐大本营≫】
  ≪快乐大本营≫の司会者たちは“快乐家族”といい、メイン司会が1人とレギュラーが4人の計5人(男性3人、女性2人)で進行しています。こちらも映画業界や音楽業界などからゲストを招き、色々な話を聞きながら番組が進んでいきます。またゲストに話を聞くだけでなく、ゲストと司会者たちがチームに分かれてゲームをし、負けたチームには辛い罰ゲームもあります。終始楽しい雰囲気なので、中国語初級者や中級者でも十分楽しめる番組です。

 皆さんも機会があれば、ぜひご覧ください!(gao)

たこぱんだより vol.3

【爆竹はいつ鳴らすもの?】
 皆さんは幼い頃、爆竹を鳴らした経験はありますか?ひとたび点火すれば、「ババババン!」とけたたましい音がしますよね。中国では爆竹は邪気を払うものとされ、いつもどこかで鳴っています。上海のような大都市では、環状外であれば爆竹の使用が許されます。市政府が認可している爆竹専門店“鞭炮专卖店”で購入し、一度につき1千~2千発、多い時には1万発も鳴らすそうです。では、いつ鳴らすのでしょうか?多くは以下の時のようです。

・“大年三十(除旧迎新)”:日本でいう大晦日から年越しの瞬間。
・“春节 初一”:新しい朝の目覚めの一発に。
・“春节 初四(迎财神)”:お金の神様“财神”をお迎えするために。
・“春节 初十五(元宵节)”:この日は白玉団子“汤圆”を食べます。
・“结婚典礼”:新婦が新郎の家に入る前に、新郎側が鳴らします。
・“搬家”:新居に入る前に鳴らします。
・“开店、开业”:“发财”の“”と“八”を掛け、8のつく時に鳴らします。
(例)8時08分など。
・“重大工程完工”:橋やビルの建設など、大きな工事が終った時に鳴らします。
・“上大粱”:農村では、家の中心となる大きな梁をかける時に鳴らす。

【爆竹を鳴らしたその後は……】
 春節の爆竹は、ぜひリアルタイムで体験して知っていただきたいです!深夜鳴りっぱなしの爆音で安眠できませんし、もくもくと上がる煙の量もものすごく、窓を開けて爆竹の様子を観察できる状態ではありません。
無数の爆竹を鳴らした後は、その残骸が散らばり、煙のニオイが立ちこめています。さて、この街中にあふれた燃えカス、いったい誰が掃除するのでしょうか?答えは、道路を掃除する清掃員やマンション管理会社の清掃員です。点火した当人たちは、鳴らし終えるとさっさと家や持ち場に戻ってしまいます。

【爆竹を鳴らせば○○が儲かる!?】
 面白いことに、春節のあと一番儲かっているのは、なんと車の修理屋さんや洗車屋さんだそうです。上海の車の多くは路上に駐車しているため、爆竹で窓が汚れたり、火花などでタイヤや車体が傷つくことも……。事前に車体にシートをかけておく人もいますが、爆竹による引火の危険性もあるため、ほとんどの車が無防備なままなのです。(Gao)

たこぱんだより vol.2

【上海のペット事情】
 経済の発展と共に人々の生活が豊かになったのか、最近マンション周辺や散歩中に見かけるペットも色々います。犬に関しては、トイプードルやマルチーズ、ダックスフントなどの室内犬から、ラブラドール、ハスキー犬のような大型犬まで飼い主の好みによって様々。ちなみに犬を中国で飼う場合、戸籍“户口”を取得しないといけないようです。飼いネコもよく見かけます。犬と同様、ペルシャ猫からロシアンブルーなど多種にわたります。こういったところは日本とさほど違いはありません。
でも、糞尿の後始末については、ゴミのポイ捨て同様、花壇や公園でフンをしても、駐車中の車のタイヤにオシッコをかけても、飼い主は知らんふり……。そういった意識はまだまだ低いようです。

【彼らはペット?それとも・・・】
 そのほか、九官鳥や小鳥を飼ったり、コオロギを飼っている家もたくさんあります。天気の良い日は、近所のおじいちゃん達が自慢の小鳥が入っている鳥かごをベランダの竿に引っ掛けて日光浴させます。太陽の光が強すぎるときは、黒い布で覆って大切に保護しています。親戚のおじはコオロギ愛好家で、冬に一部屋一部屋コオロギ専用の温室を作り、大事に育てています。
一番驚いたのは、マンション内で鶏やうずらを飼っているのを見た時!元々農家だった家庭で飼っているそうですが、マンションの空き地で数羽の鶏がゴミをつつく様子や、近くに餌を置いて木につながれている鶏の姿は、日本人の私の目には奇妙に映ります。彼らは食用?それとも観賞用?
マンション内の規則では、鶏を飼うことは禁止されているのですが、飼い主は注意されてもどこ吹く風、今日も鶏を空き地や庭に放し、漫歩(!?)させています。(Gao)   

たこぱんだより vol.1

たこぱんだ【まずは上海の「たこぱんだより」愛をこめて】
 侬好!(Non hao!)皆さん、こんにちは!私は上海在住の高中研関西支部会員です。上海で子育てのかたわら上海語の学習に励んでいます。
 皆さんは上海にどのようなイメージを持っていますか?上海バンド[外滩]に高層ビル、東方明珠の個性的なタワー、、、などでしょうか?私は縁あって数年前に中国人の主人と結婚しました。それ以後上海で中国人家族の一員として、日々カルチャーショックを受けながら(!?)毎日を過ごしています。

【どっぷり浸かって見る中国】
 こちらに来て思うのは、ひとくくりに中国といっても、南方と北方、生活レベル、年代(特に80前と80後)によって、人の考え方も生活スタイルも本当に様々だということです。私は以前中国留学した経験を元にして中国人や中国文化を見てきましたが、上海の家庭で生活するうちに、また違った角度から中国や中国人を見るようになりました。

【美味しくても、体に毒!?】
 例えば、料理をしていると「白菜とほうれん草の組み合わせはちょっと、、、」と言われたり、大好きなマンゴーをパクパク食べていると「この果物はたくさん食べたら体を冷やすから、冷え性のあなたはあんまり食べたらダメ!」とNGが出ることも。中国医学の考え方は、今も彼らの食生活にしっかりと根付いているようです。
 毎日このようにして些細な文化のギャップを感じたり色々な失敗をしながら、上海ライフを楽しんでいます。「たこぱんだより」を通じて、こうした文化的な違いや意外な発見を会員の皆様に知っていただき、またそれを中国語(中国文化)を教える際に役立てていただければ幸いです。(Gao)

Copyright(C)2011 KOCHUKEN-Kansai, All Rights Reserved. /admin by kansai kochuken