2017年(第35回)全国大会

概要

趣旨

 全国大会のテーマは年に一度開かれる役員理事会において議論し決定しています。どういうテーマ設定をすることで会員の方々の共感を得、た<さんの方に参加していただけるのか、それまでの経過を元に考え、また、先の全国大会に来てくださった方のアンケートも参考にさせていただいています。大会の運営は毎年運営支部を変えながら実施しているため、その支部の実情なども考慮しております。今年度は北陸支部の方々が運営を引き受けてくださり、担当支部の意見を元に議論した結果、「中国語教育の歴史」というテーマになりました。
 福井県で全国大会を開催することは1996年の第14回大会以来、2度目であるということで福井県から発信できることはないだろうかという考えの下、福井県出身の先生方、宮田一郎先生、内田慶市先生に講演をお願いすることができました。宮田一郎先生には「中国語77年」というタイトルで講演をしていただきます。先生御自身の人生そのものが中国語とともにあったと言っても過言ではないその歴史についてお聞きすることができるはずです。
 今回の「中国語教育の歴史」というテーマには『温故知新』一過去から現在に至る中国語教育を知る一そのことを通して、言葉のとらえ方や中国語の指導、そして今後の目指す方向性なども探っていけるのではないかという思いも込められております。内田慶市先生には「言葉を学ぶとは~中国語を中心に~」というタイトルで講演をしていただきます。中国語についての興味深い視点を紹介していただけるのでなはないかと思います。
 また、本研究会の歴史についても学ぶ機会を設けました。本研究会の前身となる全国高等学校中国語教育研究会は1982年に高校中国語教員の有志、約20名によって岡山で設立されました。1982年の創立から今年度で35周年を迎えることとなる本研究会の発展に長きにわたりご尽力なさっている石下景教先生には「高等学校中国語教育研究会の歩み」というタイトルで講演をしていただきます。
 2日目の分科会では、浅田真由美先生による「敦賀気比高校中国語劇で学校アピール」、稲垣智恵先生による「学習者のモチベーションを維持する工夫」、潮田央先生による「総合裔校における中国語講座の実態」の各発表から、それぞれの先生方の日頃の実践を聞くことができます。
全国大会は研鑽の場でもあり、交流の場でもあります。講演や分科会だけでなく、懇親会などそれ以外の部分でも多くの人とつながり、それぞれの先生たちが情報の共有をしながら、共感、共鳴し合い、参加された先生方が刺激を受け、新たな発見をされる、そんな大会になることを願っています。
 最後に、福井県は日本海に面した風光明媚な都市で、歴史的にも古くから中国浙江省とゆかり深い土地であります。曹洞宗の開祖道元は寧波で修行し、帰国後、永平寺を開き、また魯迅の『藤野先生』に描かれた藤野厳九郎先生はあわら市出身の医師です。あわら湯のまち駅前には旧居を移築した藤野厳九郎記念館があります。ご参加の際には是非とも足をお運びいただき、魯迅と藤野厳九郎の師弟関係に思いを馳せていただければ幸いです。

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